声色(津軽海峡冬景色)

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声色(津軽海峡冬景色)


昨年末大晦日、歌番組で石川さゆりさんが「津軽海峡冬景色」を歌っているのを偶々見たのですが、演歌調ではなく、アコースティック・ギターとの競演でした。Beginというバンドの人が弾いていたみたいです。イントロも無く、アカペラで「♪上野発の〜」と始まったのですが、突然なんだか凄いエネルギーが入ってきたのですよね。琴線に触れた感じ!それに演奏(カスタムな感じのギター?多分Beginの考案したギター「一五一会、音来(ニライ)」かな?)や、その音色にも哀愁がというか、一言ではいい表せない何かが感じられました。演歌に明るくない私にでも、いつもの「冬景色」ではないなと思いました。

この映像の中には歌声、歌い手の姿、舞台、背景、照明、ギタリスト、ギター演奏…等があったわけですが、やっぱり歌声、言葉の響き、旋律にエネルギーの源を感じました。

この曲はイ短調のヨナ抜き音階なんですかね?{A,B,C,E,F}の5音が使われ、サビの最後でA♭が出てきます。日本人はこの音階に涙していまうという話もどこかで聞いたような…(笑)。でもお一人でアカペラだったので「上野発の」の旋律{E,E,E,E,F,E}の「F」が出てきて初めて悲しい感じと認識できるはずですけど、それだけじゃないと思いました

ところで声は、いくつかの音が組み合わさってできています。歌声だと一番大きい音量の音が旋律として聴こえるのですよね(たぶん)。二番目、三番目に大きい音というのがあって、それらをフォルマントって言うんですけど、そのフォルマントの組み合わせによって{アイウエオ}の音の違いが付いたり、各人の声に違いが出てきたりします。

石川さんがこの曲を歌う時、もしかしたらフォルマントの組み合わせがイ短調になるように、かつイ短調のハーモニーになるように、要は美しい響きになるように、声色を調節されているのかなと思ったりしました。また歌詞の意味や、聴く人の心の動きを予想して声の表情を微妙に変えたりしているのかと思ったりします。

人が話す時って、状況や感情によって声色が変わりますね。嬉しい時は嬉しそうな声になりますし、悲しいときは悲しそうな、というように声色や声量が微妙に変わります。人に物事を伝える時ってそれらの調節って大切だろうなと思ったりします。歌詞の状況がパッと思い浮かべられるものだと、雑念がわくことなくすぐに感情移入ができそうですよね。まあそれだけじゃないと思いますが、素晴らしかった!!ということで強く印象に残った「津軽海峡冬景色」でした。


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